2009年01月15日

私大入試、広がらぬネット出願

2009.1.15 産経新聞

 私大入試をめぐり、大学がホームページを使った大学案内や合格発表の電子化などIT化を進める中、約10年前から始まったインターネットによる出願の利用が伸び悩んでいる。受験生の利便性が格段に上がり、ペーパーレス化による環境配慮もできる一石二鳥のはずなのに、導入している大学での利用は出願者全体の1割程度。IT化で進化する人々の生活も、人生を左右する入試の場面では「願書は紙でないと安心できない」という“実物信奉”が依然として根強いようだ。

 全国に先駆けて平成13年にネット出願を始めた京都産業大(京都市)では、入学センターのホームページに「24時間受付!かんたん&便利!インターネット出願」という欄を設置。希望学部や学科、出身高校などをパソコン上で入力し、「出願」をクリックするだけで済む。記入漏れや不備があれば、申し込み前にチェック機能も働くため、早く正確に出願できるのが特長だ。

 便利なネット出願だが、利用者数は開始からほぼ横ばいで、利用割合も全受験者の1割に過ぎないという。京産大は使いやすさを考え、レイアウトの工夫や完了時に申し込み者にメール送信するなど、改良を続けてきた。しかし、担当者は「いつかは利用が伸びると思って続けてきたが、予想に反してなかなか増えない」と話す。

 立命館大(同市)でも毎年約10万人で推移する出願者のうち、昨年のネット出願者は約8000人だった。19年には完全ペーパーレス化を目指して、受験料の振り込みもネットでできるようにしても手応えはいまひとつ。担当者は「ネットの方が記入の手間や時間が省けて、はるかに楽で効率的だと思うのだが…」と歯切れが悪い。

 大手予備校の代々木ゼミナールによると、大学入試のネット出願は京産大が始めて以降、全国的な広がりを見せた。だが、利用はどこでも全受験者数の1割程度で、頭打ちになっているのが現状という。


 同社担当者は「受験生が願書を正確に記入できているか出願前にチェックしているが、現状ではネット出願を考えている学生は少ない。ネットにたけていない世代の親に出願の手続きを任せている受験生が増えていることも背景にあるのでは」と指摘している。

 一方、情報・人材サービス大手のリクルートも13年、私大に参加を呼びかけて各大学の電子出願の窓口を一元化した「らくらくネット出願」を始めたが、大学の参加や利用も少なく数年で撤退した。同社担当者は「ウェブ上で出願する方法は、受験生や家族にとって思った以上に心理的な抵抗があり、浸透しなかった」と分析している。
posted by 現役 at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 私立大学
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