必修漏れ高校、地方ほど高率 予備校少なく代役 

北海道新聞 2006/11/05
2006/11/05 06:54
全国の高校で必修科目の履修漏れが相次いだ問題で、道内では全国最多の46校で発覚し、全高校に占める履修漏れの割合も14%と、全国平均の10%を上回った。塾などが少ない地方に行くほど、履修漏れ校の率が高くなる傾向に、高校が「予備校」の役割を求められる地方の実態が浮かびあがる。

「予備校や塾も地元にはなく、参考書ひとつそろえるのにも苦労する。本校の場合、受験対策は学校の中で完結するしかなかった」。名寄高校の山根治彦教頭は、地方が抱える現実に触れ、必修漏れの背景にある地域間格差を指摘した。

大手の予備校や塾がないため、高校が受験対策を一手に担う傾向は旭川市や函館市などの道内中核都市でもみられる。

旭川市内では映像で講義を行う「サテライト」予備校はあるが、予備校本体はない。旭川東高の谷川信幸教頭は「学校が予備校の果たす役割をカバーし、生徒の進路希望をかなえるしかない」。函館市内の公立高校の教頭も「地域の期待も大きい。預かった生徒の進路を保証しなくてはならない」と訴えた。

文部科学省のまとめによると、履修漏れが明らかになった高校は一日現在、全国で五百四十校。全国の一割の学校で履修漏れがあった。このうち、履修漏れ校の割合が各都道府県の全高校の一割以上に達したのは、北海道を含む二十道県で、福井県の46%を筆頭に東北、北関東、北陸、中国・四国、九州などの地方に偏った。

対照的に首都圏や関西、中部圏の都市部の都府県の履修漏れ校の割合は、全国平均を下回った。神奈川、千葉、埼玉県はいずれも2−4%台。四百四十六校と全国最多の高校を抱える東京でも、履修漏れのあった高校はわずか十二校(2・6%)と低い数字にとどまっている。

こうした傾向について、函館の公立高校の教頭は「履修漏れが首都圏や関西で比較的少ないのは、予備校も多く、学校と予備校のすみ分けができている、ということかもしれない」と語った。

履修漏れが発覚した高校に共通する動機は、受験対策。

二○○三年度開始の新学習指導要領がゆとり教育を掲げ、情報などの科目を必修とした一方で、受験科目は以前と変わらなかったことが最大の要因となった。

お茶の水女子大の藤原正彦教授は「塾などが少ない地方では、学校が受験指導に大きな比重を占めている。都市部の子供たちと互角に戦えるよう学校側が指導しなくてはならなかった」と話す。ゆとり教育の理念と入試の現実がかけ離れている限り、抜本的な解決は難しそうだ。


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